【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
「ええ」
気配を消すために、止めていた息をふーと吐き出す。
「見つかる前に行こう」
「うん」
わたしとアユナは急いで中庭へと移動した。そこから、奥の方に花園があって、城の外へと抜ける小さな穴があるのだが……。
「あ、ミーウ様、アユナ様」
名前を呼ばれて、わたしたちはビクッと肩を揺らす。振り返ると、そこには海兵が立っていた。いつもはここにいないのに……。
「な、何?」
「よかったー! まだ城にいらしたのですね。今から何をされるおつもりだったのですか?」
まだ新人らしい海兵はニコニコと笑顔で話しかけてくる。
「えっと……今日は中庭で遊ぼうかなと思って……」
「そうなのですね。てっきり、またどこかへ行かれるのかと思いました」
「……」
その通りなんだけど……今日も用事があって、城を抜け出そうとしてるなんて言えない……言ったら最後、クザンにそれが伝わって全力で捕まえられる。
「もー、いつもわたしたちが悪いことしてるわけないでしょ?」
「そうですよねー。アハハ」
海兵はヘラヘラと笑っている。
「……」
(どうやって外に出よう……)
こんなにヘラヘラしているが、足の位置や気配から……この人はわたしたちから離れるつもりはないらしい。わたしたちがどこかへ行ってしまったら、上司の海兵に怒られてしまうし……わたしたちの身の安全が何より大切だからだ。新人とは言っても、強い人しかこの場所には配属されない。