【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
心配そうにしているアユナの顔を見て、安心させるように笑いかける。
マシュラとミシュラは一緒に住んでいる狼の兄弟だ。わたしが生まれた時からずっと一緒にいる。理由は知らないけど、人の言葉を話せて意思疎通ができる変わった狼たちだ。そして、わたしたちをいつも見守ってる……と言うか、見張っていると言うのが正しいか……。
「! ミーウ、待って」
アユナが前を歩いていたわたしの腕を引いて止めた。
「え?」
彼女を振り返ると同時に、少し遠くから足音が聞こえて来た。
「!」
(見張りの海兵たちね……)
わたしとアユナは広い廊下の両端に置かれた置き物の陰に隠れる。足音と話し声が徐々に近付いて来る。
「この後はどこの見張りだ?」
「お前、もう忘れたのか? 次はミーウ様の部屋の前だぞ」
「そうかそうか。今日は部屋にいてくださるかな……」
「昨日はこれくらいの時間にはもう姿がなかったらしいが……」
海兵たちはわたしの部屋へと向かいながら、会話をしている。わたしたちが隠れている方には見向きもしない。彼らが行ったことを確認してから、わたしたちは物陰から顔を出す。
「……行ったわね」