【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第8章 初めての島
「お前ら、誰に喧嘩を売ったと思ってんだ?」
「あなたたちの目の前にいるのは海賊よ? 手加減なんて、するはずないじゃない」
腰を抜かしている男たちの目の前にはミーウとキッドが笑みを浮かべて立っていた。
(……やっぱり……)
キラーは隣でため息をついている。
「……どうしてあいつらは……大人しくできないんだ……」
キラーは怒りで声を震わせている。
「このままだと、海軍を呼ばれる可能性があるわね……」
ーーこの島は“竜国島”から1番近い島だ。そのため、連絡が入れば海軍駐屯所からすぐに海兵が派遣される。海賊が騒ぎを起こせば、危ない目に遭う島でもあった。
「確かに、そうだな」
キラーは左腕に荷物を全て移した。
「アユナ、ミーウを拾って船まで走れるか?」
「え?」
わたしはびっくりして、キラーを見た。
「すぐに出航するぞ。海軍が来る前に」
キラーは真っ直ぐ前を見据えて言った。
「……わかった」
わたしも前を向いた。ミーウとキッドは今にも海賊らしき人たちに攻撃をしようとしている。
「アユナ!」
「うん!」
わたしとキラーは同時に地面を蹴って、ミーウとキッドの元へと走り出した。
「水渦(すいか)」
ミーウに近付いた時、わたしは能力を使ってミーウを水の渦の中へ閉じ込めた。そのまま自分たちの船へと走る。