【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第8章 初めての島
「合挽き肉をもう少し追加してくれないか?」
「え?」
わたしは首を傾げて、隣のキラーを見上げた。
「どうして?」
「キッドが多分、もうそろそろロールキャベツを食べたがると思ってな」
「あー……」
ーー我らの船長、ユースタス・キッドはロールキャベツが大好物だった。それに加えて、彼は大喰らいでもある。きっと、合挽き肉400g程度のロールキャベツなんて彼が1人で平らげてしまうだろう。
「……じゃあ……1kgぐらい買っとく?」
「いや……2kgでもいいかもしれん……」
「……」
わたしたちは黙って、ショーケースの中にあるお肉を見つめた。それと共に、これから先の食費に頭を抱えそうになった。
「……とりあえず……2kg買っとく?」
「そうだな……店主」
「あいよ」
お店の男の人はにこやかに笑った。
「合挽き肉を2kg頼む」
「あいよ!」
男の人は合挽き肉が乗った銀色のトレーをショーケースから出して、測りにどんどん乗せていく。測りが2kgを指すと、それを袋の中へ入れて行く。
「あいよ! 2kgね!」
「ありがとうございます」
わたしは差し出された袋を受け取ろうとした。しかし……。
「ありがとう」