【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
ーー時は遡って、8年前。わたしは南の海にある“竜国島”で生まれ育った。この島は海軍本部の最高戦力である大将の1人、“青雉”ことクザンによって治安と平和が守られている。この島に海軍大将がいる理由は世界貴族天竜人が住んでいるから。その天竜人は普通の天竜人と区別され、“伝説の天竜人”と呼ばれている。天竜人の中でも、五老星と同等もしくはそれ以上の権力を持っていて、この世界全体を治める役割がある一族だ。わたしはその一族の末裔の1人。
「ミーウ」
自分の部屋にある窓の外を眺めていると、後ろから声をかけられた。振り返ると、黒髪の可愛い少女が部屋の入り口に立っていた。
「アユナ、何?」
「何? じゃないでしょ? もうそろそろ時間よ」
部屋に掛かっている時計を見ると、集合時間が迫っていた。
「そうね。行きましょ」
わたしはアユナに微笑んだ。
彼女は天竜人ではないが、わたしと家族同然に育った女の子だ。わたしよりも2歳年上で、お姉ちゃんみたいな人だった。
「……」
アユナと共に部屋を出て、城の廊下を歩き始める。
「ミーウ……マシュラとミシュラに見つからないかな?」
「大丈夫よ」