【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第7章 これからのこと
「……そうだ」
キラーは頷いた。ーー仮面を付けているため、表情は分からない。
「わたしは……そんなの、絶対許さない」
アユナは今にも泣きそうな顔で、キラーの手を掴んだ。
(そんなこと……)
ーアユナが許すはずないじゃない。
「アユナ……」
「4人揃って、キッドが〈ひとつなぎの大秘宝〉を手に入れるところを見るんでしょ? それが4人で誓った夢じゃない。誰かがそれまでに犠牲になるなんて、間違ってるわ。わたしは……」
「アユナ」
キラーは自分の上に置かれて、今は震えているアユナの手をもう片方の自分の手で包み込んだ。
わたしはキッドの方を見る。すると、キッドもわたしと同じことを思ったのか、自然と彼と目が合った。
「……」
ーこれはわたしたち、ここにいてはいけないのでは? 2人きりになって話してもらった方がいいのでは?
「……」
ーキッドはきっと、その通りだと言っているはずだ。目を見たら分かる。
「……」
ー黙って船の中に入るか……。
キッドは大きく頷いた。そして、物音を立てないように立ち上がる。わたしもそれに続いて立ち上がる。
ーーわたしとキッドはアユナとキラーが両想いなことを知っている。ただ、本人たちは知らない。お互いに想いを伝えないからだ。かれこれ、10年くらい片想いをしているのに……。