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【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら

第7章 これからのこと


 島の人たちはとても優しい人たちばかりだった。お互いを気遣って、助け合いながら過ごしていた。その優しさに、この2人も触れていたということがどこか嬉しく思えた。
「何笑ってんだよ」
 いつの間にか、風船のような体から元に戻ったキッドが隣でニヤッと笑っていた。
「ん? なんか、嬉しくて」
 ーキッドたちも誰かに優しくしてもらって過ごしてたんだなって思って……。
 わたしは正直に自分の気持ちを話した。
「……そうか」
 キッドは優しく微笑んだ。
「なァ」
 キッドは注いだお酒を煽った。

「おれは……必ず〈ひとつなぎの大秘宝〉を手に入れる」

 ニヤリと口角を上げて笑う。自信に満ち溢れた顔。昔から全く変わらない。
「お前らにも……“夢”はできたのか?」
 ーー8年前のあの時と同じ質問。あの頃は、“夢”なんて見たって叶わないと思い込んでいた。わたしには決められた未来があったから。でも……。
「できたよ」
 8年前とは違う。
「わたしは……」
 楽しそうに笑っているキッドを見て、わたしはつられて笑った。

「自分の目で見た世界を本に残して、自分の子どもたちに伝えること」

 これが新しくできたわたしの“夢”。おばあ様のように自分の目で見たことを子どもたちに伝えて行きたい。そして……。
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