【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第7章 これからのこと
「もう……無理……」
開始30分、ポンポンに膨らんだお腹を押さえた。もうこれ以上は入らない。少し動いただけで吐いてしまいそうだ。
「ふんっ、啖呵を切った割には大したことねェな」
キッドはご飯を食べ過ぎて、風船のように体全体が膨らんでいる。それでも懲りず、まだロールキャベツを食べている。
「……その体……どうなってんのよ」
昔、わたしたちが“竜国島”に来た海賊を倒した時に初めて一緒にご飯を食べたが、その時もこんな風に風船みたいになっていた。到底、人間の体とは思えない。
「キッド、まだ食べるつもりか?」
キラーは苦笑いをしている。
「……キラー、キッドっていつもこんな感じだったの?」
「ああ」
キラーは当然とでもいうような様子で頷いた。
「……ご飯どうしてたの?」
こんなに食べるのであれば、お金もそれなりにかかったはずだ。20代のまだ若い男が食費にそれだけ注ぎ込めるはずがない。それに、それだけのご飯をキラー1人で作るのにも限界がある。
「近所に住んでいた人たちが余ったおかずを持ってきてくれてたんだ。おれもこんなにたくさんのご飯を1人では作れないからな」
「そうなんだ」
わたしは思わず口角が上がるのを感じた。