【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第7章 これからのこと
ふと、わたしの隣に座っているキラーを見ると、どす黒いオーラが辺りに漂っていた。
(……まさか……)
ーーキラーはアユナのことが好きだ。実はアユナもキラーのことが好きなのだが……それは置いといて、それをわたしもキッドも知っている。なぜかって? キラーの態度を見ていれば、誰でもすぐに分かる。アユナの時だけ声音がいつもよりさらに優しくなるし、すぐにアユナに手を伸ばす。アユナに好意を持っている証拠だ。
問題なのは、それを知っていながらアユナを褒めて、彼女を照れさせているキッドの行動だ。キラーを嫉妬させて揶揄うつもりだろうが、それ以前にキラーが人を殺しそうなオーラを纏っている。
「キラー……」
「おい」
落ち着いて、と声を掛けるよりも前に、キラーがいつもより1オクターブ以上低音の声でキッドの肩を持った。
「お前……何をしている?」
「何って、アユナの料理が美味いって話をしてるだけだろ?」
「……そうだが……」
キラーは言葉に詰まっている。ーー確かに、キッドの言っていることは間違っていない。アユナには指一本触れていないし、変なことをしているわけではない。別に、キラーが怒る必要はないのだ。
「キ、キッドって」