【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第5章 違えない誓い
「でも……お母様は……」
「わたしもそう思ってるわ」
声がした方に顔を向けると、ミーウの母親であるメアリー様が扉の前で笑顔で立っていた。
「お母様……」
「メアリー様……」
「ミーウ、アユナ」
メアリー様は部屋の中へと入って来た。そして、わたしとミーウの前まで来ると2人まとめて抱き締めてくれた。
「あなたたちはわたしの大切な娘たちよ。本当はどこにも行かせたくない……。海軍にいれば、クザンがいつでも守ってくれるから安心だもの……」
「……お母様……」
ミーウはメアリー様を抱き締めた。
「でもね、それはあなたたちの願いとは違うでしょ?」
「……」
メアリー様の質問にわたしたちは黙ってしまった。メアリー様はわたしたちからそっと体を離した。
「ミーウ、あなたの気持ちは知ってるわ。もちろん、クザンもセンゴクさんもガープさんも」
ーーミーウは海軍が嫌いだ。全員、その理由を知っていた。
「無理して入らなくていいのよ」
「……」
ミーウは少しだけ泣きそうな顔をして、再びメアリー様へ抱き付いた。そして、メアリー様の肩に顔を埋めた。ーーミーウの一族“伝説の天竜人”の血を受け継ぐ者は人の前で泣いてはいけないという決まり事があった。理由は知らないけど……。