【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第5章 違えない誓い
ーこれは誤魔化し切れない。
「アユナ!」
ミーウはわたしの名前を呼び構えた。
「“剃”」
そして、六式の剃を使ってクザンの横をすり抜けようとした。しかし……。
「あまい」
「うぐっ!?」
ミーウの剃は見切られてしまい、いとも簡単に捕らえられてしまった。
「ミーウ!」
クザンはミーウを押さえつけて離さない。
「くっ……」
わたしは両手を前に構えた。
「水流!」
クザンに向けて能力を使う。しかし……。
「……お前もあまい」
「!」
軽々と避けられて目の前に迫られる。そして、そのまま気が付いたら床に伏せられていた。
「んぐっ……」
「……もう一度聞く。お前ら、どこに行こうしてるんだ?」
「……」
わたしとミーウは黙って答えない。クザンは大きなため息をついた。
「友達と一緒に海賊になるために、北の港に向かう……そんなところか?」
「!」
押さえつけられたわたしとミーウは大きく目を見開いてクザンを見た。
「な……」
「どうしておれがそれを知ってるかって? 本当に分からないのか? まだまだだな」
クザンは息を吐いて、わたしたちの拘束を解いた。
「おれはミーウとアユナが城を抜け出す度に、後をついていたんだ。メアリーのお願いでな」
「え……」
「嘘……」
わたしたちは顔を見合わせた。
(全然知らなかった……)
ー気付かれていないと思っていた。
「……お前たち、海軍を舐めてるのか? 海軍大将のおれが、お前らみたいな小娘共に気付かれているようじゃ、海軍は終わったも同然だ」
「……」
ークザンの言う通りだ。