【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第5章 違えない誓い
「……行こう、アユナ」
ミーウは少し寂しそうに笑った。
ー未練があるくせに……。
「ええ……」
「どこに行くんだ?」
わたしとミーウが部屋を出ようとした時、扉の前に背の高い男が立っていた。
「ク、クザン!?」
ーーその男は海軍大将、“青雉”ことクザンだった。
「何をそんなに驚いてるの。もうすぐ、今日の稽古の時間になるはずだけど?」
「……え、えっと……」
ーーわたしとミーウはクザンに稽古をつけてもらっている。それはミーウがこの世界を治める女王になる前に、この世界の誰よりも強くなる必要があるからだ。これはミーウが5歳の頃から始まっていた。今までの歴代王女たちは皆、5歳の頃から海軍大将の元へ弟子入りすることが決められていた。今までの稽古で、六式や能力の使い方、覇気などを教えてもらっていた。そして、わたしとミーウはその全てを習得している。
「い、今からクザンのところに行こうと思って……」
「そんな大荷物を持ってか?」
「……」
「そもそも、引き籠もりのお前がおれが迎えに行く前に稽古に来たことがあったか?」
「……」
ーー7年前に起こったある出来事から、ミーウは自室に籠ることが多くなっていた。心に大きな傷を負い、周りの人に心を閉ざした状態になってしまった。時間になったら大楠に行き、いつものようにキッドとキラーと話しているが、家に戻るといつも部屋にいた。稽古をする時も、クザンが呼びに来ないと部屋から出て行かなかった。