【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
「わかった。お前は、おれの船の船員だ」
キッドは諦めたように言って笑った。それを見て、わたしも笑顔になった。
「仕方ないな。じゃあ、おれが副船長になってやる。お前ら2人だけだと、何やらかすかわからないし心配だ」
そう言って、キラーも笑った。
(キラー……)
ーー正直、キッドと2人だけの航海は心配だった。だが、キラーがいてくれれば、何も問題はないだろう。
「キラーまで……」
アユナは困った顔をしていた。ーーアユナはわたしを守らなければいけないという使命を負っている。わたしを危険なことから守ること、それがアユナが生まれた時から定められた運命だ。それから背くことはできない。だけど……。
「アユナは? 行かないの?」
わたしはアユナに聞いた。ーー運命や使命は関係なく、彼女自身がどうしたいのかを。
「え……」
少しの間、目を見開いて困った表情をしていたが、やがて覚悟を決めたように口を開いた。
「……わたしも、行きたい」
アユナも笑った。わたしはその笑顔に思わず、ニッと笑って頷いた。
「ったく、しょうがねェな。じゃァ、それまでにそれぞれ強くなっておくこと! それが最初の船長命令だ。いいな!」