【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
「ミーウ、海賊の旅がどれだけ危険なのか知ってるの?」
アユナが心配そうな顔をして言う。ーー無理もないと思う。旅をするということは命に関わるのだから。でも、それでも……。
「知ってるよ。海賊同士で戦ったり、賞金稼ぎに命を狙われたり、とても強い嵐にあったり、海軍に追われたりするんでしょ?」
「知ってるなら……」
「でも、行きたいの」
世界を見てみたい。知らない世界を知ってみたい。みんなと……ずっと一緒にいたい。
「海に……行きたいの。どこまでも広くて、何よりも自由な世界を見てみたいの。この目で実際に見てみたいの。話を聞くだけじゃわからない世界を」
アユナにどんなに止められても、反対されても……それでも行きたいと思った。ーー自分で自分の未来を切り開きたい、そう思った。
「いいでしょ? ねェ、キッド」
わたしはキッドを見た。
「無理だ。女は足手まといになるかもしれねェだろ」
キッドはひどく困った顔をしていた。わたしはムッとして言い返した。
「なら、強くなる。足手まといなんて、絶対に言わせない」
本気だった。足手まといなんて思われたくない。なりたくもない。ーー強くなりたい。