【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
『だから、〈偉大なる航路〉に行った者で……そこから、帰って来ない人もたくさんいるの』
『そ、うなんだ……』
おばあ様の言わんとしたことは幼いわたしでも、大体理解することができた。わたしの動揺した顔を見て、おばあ様は少し笑った。
『ミーウ、もしかして……海賊になりたいの?』
『え……』
おばあ様は優しく微笑んだ。
『わたしは止めないわよ。自分の好きなように生きなさい。だって……海賊は自由なのだから』
『うん!』
わたしとおばあ様は笑い合った。ーー窓から月の光が優しく照らす部屋の中で……。
おばあ様はそう言ってたけど……本当に海賊になってもいいなら……。
(許されるのなら……)
「キッドは海賊王になるの?」
わたしはキッドに聞いた。
「あァ」
キッドは優しく、自信に溢れた顔で笑った。
「じゃあ……」
わたしは息を吸い込んだ。ーーいけないことだとわかっている。わたしみたいな人間が……未来が決められている人間が望んではいけないことだと。それでも、彼に頼まずにはいられなかった。
「わたしをキッドが乗る船に乗せて、海に連れてって」
わたしは笑顔で言った。ダメだと言われても、行きたいと思った。