【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
「……何でもないよ」
「じゃあ、何で店を出たんだ?」
「……近寄らないで」
「アユナ……」
(何で答えてくれないんだ?)
「え……ちょ……っ、キラー……」
キラーは我慢ができなくて、髪を触っていた手でアユナの顎をすくい、言葉を飲み込むように口を塞いだ。しばらく離さないでいるとアユナが身を捩った。その隙を狙い、キラーは口の隙間から舌を入れた。
ーキスの仕方はキッドの話などで覚えた方法を使った。
「ん……っや、キラー……」
「アユナ」
「ん、ふぅ……っ」
キラーは抵抗する腕をやんわりと、けれど力強く押さえつけ、また無理矢理塞がれてねじ込める。
(アユナ……)
「いや……っやめて!」
アユナは叫んで、キラーの手を叩いた。
パシッ
キラーの手に赤みがさす。
(アユナ?)
キラーはハッとして、拘束を解いた。
アユナはキラーから離れて、一歩、一歩、後ろに後ずさった。
「……どうせ、わたしのことなんか……なんとも思ってないくせに」
アユナは悲しそうな傷ついたような顔をした。