【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
「……」
(なんとも思ってなかったら、こんなことするかよ)
「キラーがこんな事するから……優しくするから、胸が苦しくなる。いい加減な気持ちで……触らないで……!」
「……」
(なら、いい加減な気持ちじゃなかったら、お前に触れていいのか? めちゃくちゃにしてもいいのか?)
ー……なんてな。
キラーは前髪の奥でアユナを見た。
ーお前を泣かせたいわけじゃない。ただ、笑っていてほしいんだ。……俺の隣で……。
キラーが呆然としている間に、アユナは走ってどこかに行ってしまった。
キラーが気づいた時には、アユナの姿は見えなくなってしまっていた。
「どこ行ったんだ、アユナ……」
キラーはまだ少し痛みの残る手を無視して、ひたすら歩みを進めた。
ーアユナはどこに走っているのだろう。何処に行き着くのか想像がつかない。かなり広い島だ。だが……。
(このまま走ると、この先は……)
ー海だ。
「……」
キラーはとりあえず海岸沿いに島をぐるりと回ってみた。すると、アユナは見つかった。