【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
その後、本当に“見聞色”の覇気で見えた通りのところで3人を見つけて、わたしたちは大楠まで戻って来た。
「……お前……見つけるの早過ぎだろ! なんかセコい手でも使ったんじゃねェだろうな?」
キッドはわたしがあまりにも早く見つけたから、不機嫌になっている。ちなみに、1番最初に見つかったのはキッドだった。だって、草むらの中なんて1番分かりやすいじゃない。
「わたしはキッドじゃないからそんなことしないわよ。キッドが隠れるのが下手なだけよ」
舌をベーと出して、キッドを挑発する。
「何だと!」
「何よ!」
それからまた、いつものように喧嘩が始まったが、キラーがわたしたちを叱ってその場をおさめた。
その後も鬼ごっこなどをして、いつものようにみんなで楽しく遊んだ。でも、さすがに遊び疲れて大楠の木の陰でわたしとキッドは寝転んで、アユナとキラーは座って休憩した。
「なァ」
大楠の葉っぱの間からキラキラと光が漏れているのを見ていたわたしは呼びかけられてキッドの方を向いた。
「お前らは“夢”とか、あるのか?」
「え?」
いきなり言葉を発したキッドが言ったそれは、とても単純で素朴な質問だった。キッドにしては珍しいな、と思った。どうしてそんなことを聞くのか。