【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
「……そいつでなければ、だめなんだ……!」
アユナは泣きそうになるを堪えて俯いた。
(……何で泣きそうになってるの?)
ーそんなこと、わかってたじゃない……。なのに……。
(なのに、何でこんなに苦しいの?)
ーその理由なんてわかってる。ーーただ、好きだから。大好きだから。だけど……。
(わたしじゃないの……)
ーあなたが好きなのは……わたしじゃない。
「……」
アユナはワンピースの裾を握り締めた。
「……アユナ?」
アユナはひどく優しい声を聞き、顔を上げた。
キラーは潤んでいるアユナ瞳を優しい目で見つめた。
「……どうした?」
「え……?」
キラーはアユナの左頬を右手で優しく触った。
「何で、そんな辛そうな顔をしている?」
ドクッ
「アユナ……」
「……ゃ……」
「? アユナ?」
パチッ
「!」
キラーは驚いた顔をアユナに向けた。ーーアユナがキラーの右手を叩いて、手を払い退けた。
「やめて!」