【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
ーー海賊になってから、何回も負けそうになった。何回も死にそうになった。だけど……。どんなに心が弱っても。くじけそうになっても。立ち止まりそうになっても。負けそうになっても。お前との約束がいつも支えてくれた。
ーー海に出て、キッドとケンカして、これからどうしたらいいかわからなくなった時に、お前のことを思い出して、そのぬくもりが凍てついた心を包んでくれた。
ーー別れなければならない時も泣きながらも笑顔で、信じていると言ってくれた。
「……」
口を開きかけて、ふいに胸が痛んだ。
ーーおれの言葉を聞いて、泣いてしまった夜。そして。
ーー1人だけで船の甲板で寂しそうに歌っていた夜。
ーーキッドとミーウが戦いの中で爆音をあげた時。
ーーお前は心配のあまりに、ミーウのもとへ形振り構わず行こうとした。それを止められた時、お前は心配して少し泣いていた。
「……そして……他人のために涙を流せるひとだ。1人で抱え込んでしまうひとだ」
アユナは口をきゅっと結んだ。
「その優しさに、救われて……。あたたかさに、癒されて……」
キラーは目を閉じた。
「その全てが……いとおしいと、思う」
アユナは自分の中で、何かが壊れてしまうのを感じた。