【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
キラーは軽く目を見開いた。
「勿忘草を渡された人で、勿忘草を渡した人のことをいつまでも大切に想っている人はこのシオンの花を相手に送ります」
ミューはキラーを優しい瞳で見つめた。
「あなたは好きな人のことを、大切に想っているんですね」
アユナは自分の左腕を掴んだ。
(え……)
ーあなたは好きな人のことを、大切に想っているんですね。
ドクッ
アユナは自分の心臓が苦しくなるのを感じた。
(……キラーに好きな人がいる?)
ー誰?
アユナはキラーを見た。
キラーはミューの質問にしばらくの間、黙っていたが……やがて口を開いた。
「ああ」
ドクンッ
「おれはそいつのことを大切に想っている」
ドクッドクッ
アユナは心臓を潰されるような感覚がして、胸を押さえた。
ーおれはそいつのことを大切に想っている。
アユナは聞きたくなかった言葉を聞いて、しばらく呆然としていた。
「……その人は……どんな人ですか?」
ミューはキラーを見た。