【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
アユナはぽつりとそう言った。
「そんな恋なんていくらでもありますわ」
ミューはアユナを見た。
「長く生きれば、そんなこといくらでも体験しますわ……。世の中、うまい話ばかりじゃないもの」
ミューは少し寂しそうに微笑んだ。
「そして、身分差の関係で好きだけど相手と別れなければならない時、離れてても自分のことを想っていて欲しい時、相手に忘れて欲しくない時などに使う花が……これ」
ミューは大粒の丸い淡いブルーの天然石と大粒の丸い水晶を繋げたブレスレットを手に取った。そのブレスレットの1つの水晶の中に、天然石と同じ色の花の彫刻が施されていた。
「……それは……」
アユナはその花を見て、悲しそうな目をした。
「……勿忘草」
アユナは呟いた。
「花言葉は……“わたしを忘れないで”」
ミューはそれを聞いて驚いた顔をしたが、すぐに悲しそうな顔に戻った。
「……その通りです」
そして、ミューはもう1つ、大粒の丸い薄紫の天然石と水晶が繋がっているブレスレットを取った。1つの水晶の中には、さっきの勿忘草のブレスレットと同様に、天然石と同じ色の花の彫刻が彫られていた。
「そして……これが勿忘草の花言葉の対となる答えの花……」