【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第12章 花言葉の想い
アユナはにこりと笑って、目を細めた。
「キラーの目と同じ色だし……」
アユナはそう言って、ハッと我に返って焦った。
(わたしの馬鹿! 何言ってるの!)
「アユナ……」
アユナは恐る恐る顔を上げた。
「な、何?」
キラーは目を細めた。
「おれの目の色……好きか?」
「え!」
アユナはびっくりしてから、首を縦に動かした。
「そうか」
キラーはアユナの頭に自分の手を置いた。
「ありがとう。お前に素顔を見せて……よかった」
「え?」
「いや、何でもない」
アユナは頷いて、もう1度鏡を見た。
「あれ?」
ーこの花……。
「ハナモモ?」
キラーがアユナに選んでつけた左耳のイヤリングをよく見ると、垂れ下がっている装飾の部分にアクアマリンと銀色の花のような物があった。ーーその花はハナモモという春島の花だった。低い木に花を咲かせ、椿のように何枚もの花弁を重ねる華やかな花。
(確か花言葉は……)
ーーあなたに心を奪われた。
「……」
(たまたま、よね……。キラーは花言葉なんて知らないだろうし……)
ーさっきも、アサガオとハナカイドウの花言葉を知らなかったのだから。
アユナは少し寂しそうな顔をした。