【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
わたしとキッドがパー、アユナとキラーがチョキ。
「……」
わたしとキッドは睨み合った。
(……負けたくない!)
ーー当たり前だけど、鬼にはなりたくない。探すのなんてつまらない。それはきっと、目の前のキッドも同じだ。
「最初はグー! じゃんけんぽん!」
わたしとキッドはチョキを出した。
「あいこでしょ!」
わたしはグー、キッドがパーを出した。キッドは満面の笑みを浮かべる。
「何だよ、ミーウ。じゃんけんなんだから、しょうがねェだろ?」
「……わかってるよ」
わたしは今、物凄く不機嫌な顔をしているだろう。唇を尖らせて拗ねているのだから。そうは言っても、ゲームはゲームだ。仕方がない。
黙って大楠の前へと歩いて行って、3人に背を向けて座った。
「1・2・3・4・5……」
3人の足音が遠ざかる。ーーどこに隠れるんだろう?
「……55・56・57・58・59・60!」
60秒を数え終えて立ち上がる。そして、ピョンッと跳ねて後ろを向いた。
「う~ん」
(どこから探そう?)
辺りをざっと見渡す。周りは鬱蒼とした森で、1人で探すにはとても広過ぎる。