【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
アユナが申し訳なさそうに言った。
(……本当は違う……)
無断で城を抜け出して、見張りの海兵たちから気付かれないようにして家を出て来た。そんなこと言ったら……きっと、あなたたちは軽蔑する。私の身分も存在も全てを……。
「そうか」
キラーは納得したように頷いた。
「……」
(……怪しまれてない……よね?)
こんなやり取りをする度に怖くなる。ーー自分たちの正体がバレてないかを。自分たちがどのような人間の子どもなのか、いつもどこから来ているのか……そんなことがわかってしまったら……。
わたしは目を閉じた。
「どうした? ミーウ」
わたしは話しかけられて目を開けた。鮮やかな赤い髪の毛が目に入る。
「……ううん、何でもない」
わたしは首を横に振った。そして、何もなかったかのように笑った。
「ねェ、キッド。今日は何をして遊ぶの?」
「今日はかくれんぼをしようぜ」
「わかった!」
わたしは2人で何か話していたアユナとキラーを見た。
「アユナ、キラー! かくれんぼしよ!」
「う、うん」
わたしたちは大きい木の陰に入り、じゃんけんを始めた。
「最初はグー、じゃんけんぽん!」