第11章 2人の時間

（しまった……）
　ーつい、口をすべらせてしまった。
　キラーは少し俯いた。
「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか。お互いにお互いのことを大切に想っているって、とてもいいことだと思います」
　店員は笑いながら言った。
「お互い？」
「はい」
「どういうことだ？」
　店員は意地悪そうに笑った。
「それはご本人にお聞きください」
「……」
　キラーは店員を睨むように見つめた。
「キラー、お待たせ。着替えたよ」
　キラーと店員が話しているうちに、アユナは着替え終わって試着室から出て来た。
「あ、ああ……」
　店員はにこりと笑った。
「では、会計をさせていただきます」
　店員はアユナの着た服を1着1着レジに通していく。
「え！？」
　アユナはレジに通した服の合計金額を見て驚いた。
「2万ベリー……」
　ーーワンピース1着とサンダル1足、鞄を1つだけなのに……。
「何で……」