第4章 恨み憎む男ー灰崎ー
ドォン!!と大きな音が響いた
爆風に思わず目を瞑って、次に目を開けた時
地面には大きな穴が開いていて、目の前にいたはずの灰崎さんはその砲弾を避けたのか離れた所にいた
そして、その灰崎さんの代わりに
私の目の前には人影があった
でも立ち上る砂埃のせいで誰なのかわからない
…な、に?
「…なんだ、またお前らかよ」
灰崎さんが砂埃に向かって溜め息混じりに言った
ザァ、と風が吹くのと同時に砂埃が晴れて
そこから現れたのは、あの色とりどりの頭だった
「…火神さん、黄瀬さん…」
震える声で名前を呼ぶ
すると、振り返った彼らの目はみてわかるほどぎらついている
よく見れば、二人だけでなく、見知らぬ緑の頭の人や青色の髪をした人、
みたことのないくらい背の高い男の人もいる
彼らの灰崎さんを見る目はいつもの優しく温厚なものではなくて
今にも灰崎さんを殺しに行くような
凛々しい怪物達の顔だった
「…青峰、分かっているな」
「あぁ……、おい紫原、抜け駆けはすんなよ」
「え…」
緑の髪の彼は赤司さんの胸の穴を見て眉間に皺を寄せた後、また灰崎さんと向き直ってそう呟いた
初めてみた彼に若干驚くが、火神さん達といるということは赤司さんの味方、ということだ
「おい緑間、お前は2人を頼むぜ」
「ああ、」
「俺も参戦するッスよ…、こいつは俺の敵でもあるッスから」
火神さんの言葉に、私の後ろからは緑間と呼ばれた彼と黄瀬さんが出て来た
状況が理解できないまま、私はただ行く末を見守るだけだった