第5章 最終章
「あ、でしたら、赤司さんも起きてはいかがですか?」
「……いい」
「え」
「…もう少しだけ、このまま」
このまま、君とくっついていたい
甘い声で耳元で囁かれてしまっては私としてはどうしようもない
くったりと力を抜くと、赤司さんは勝ち誇ったように笑った
…私はいつまで経っても彼には勝てないだろう、たぶん
嬉しそうに擦り寄ってくる赤司さんに
そんなことを思った
「…名前、」
「はい」
「もう一回したいんだが」
「まぁ、そうです…………か、?」
あまりにもあっさりと言われて一瞬流してしまいそうになった
なんだって?
もう一回、なんだって?
「…え、あの」
混乱している内に、赤司さんの手はまた私の身体を這っていた
……ちょっと、待って
「いや、あの」
「…嫌なのか?」
「い、嫌とかではなくて、その」
なんていうか、朝からはちょっと遠慮したいというか
なんて頭の中で言い訳をしていたら赤司さんは「嫌じゃないならいいな」と鎖骨に口付けてきた
や、あの
待って
本気で待って
「あ、止め、ちょ…っ」
「止めない
…大体、裸の恋人とベッドの中で抱き合ってて我慢できる奴がいるか?」
「な、あっ、んっ…」
「君はもう少し警戒心を持った方がいい」
私から警戒心を奪ったのはあなたです
なんて言う暇もなく拒む隙もなく、
私は有無を言わさずベッドに縫い付けられた