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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第4章 恨み憎む男ー灰崎ー



ぽたぽた、次々に落ちてくる赤い雫が
私の頬やワンピースをその色に染めた




…う、そ





「…あか、し…さ…」





ドクンドクンドクン


動悸が尋常じゃない速さを刻む



ドサ、と赤司さんが私の前に崩れるのと同時に、私は全身の血の気が引いた





「…っ赤司さん!」





精神が高まって何が何だかわからない


いつの間にか声も出て、身体も動くようになっていた



でもそんなことは気にしていられなくて
私は夢中で赤司さんの上半身を抱き起こした



槍は赤司さんの胸に深く突き刺さっていて、先端が背中から僅かに覗いていた




…貫通、している





「や…っ、うそ…赤司さん!」




腕の中の身体がどんどん冷たくなっていく


呼吸が荒くなって、
目からは意味のわからない涙が溢れた



うそ


なんで

どうして…!





「あーあ…自ら術を解くとは大した女だ」


「!」




その声に上を向くと、
すぐそこに冷たい目があった


灰崎さんは赤司さんの胸を貫いた槍を
ズズ、と音をたてて引き抜いた



その瞬間、赤司さんが僅かに声を漏らした




「赤司さん…っ」


「ん?まだ生きてたか…随分としぶといな」




言いながら、灰崎さんは再び赤司さんに槍を向けた





「…とどめを刺してやるよ」


「やめて!」




とっさに動かない赤司さんの頭を抱き締める


でも灰崎さんはそんなことは気にせずに槍を振り上げた



「面倒だな、2人ともまとめて楽にしてやるよ」


「……!」





でも、ぎゅう、と目を瞑った瞬間


私と赤司さんの間に、
グリーン色の炎の砲弾が落ちてきた

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