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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第4章 恨み憎む男ー灰崎ー


「ククク…、どうした?
動きが鈍くなってるぜ」


「………………」


「強がるのも大概にしたらどうだ?
さぁ!」


「っ!」




ガキィン!と一際大きな音がして、赤司さんの短剣が弾き飛ばされたのが見えた




「(赤司さん…っ)」


「さぁ、もう楽になれよ吸血鬼」


「……………、」




ヒュン、と槍が空気を切る音がして、
矛先はそのまま赤司さんの喉元に向けられた



いや

やめて



やめて!




「これで終わりだ」


「………」


「…の前に、お前には一番の苦しみを味わってもらうか」



「…」




赤司さんから槍が離れる

でも、ホッとしたのも束の間だった





「…じゃあな、名前」


「―――――!?」





それまで赤司さんに向いていた矛先は
弧を描いて私に向けられた



そして、驚く暇もなく灰崎さんは私に槍を投げつけた




「…っ!!」




私目掛けて迫ってくる3つの矛先

でも術が解けない限り私は動けない


刹那、すぐ目の前に槍が向かってきた





「―――!」




…も、だめだ

諦めて目を閉じた




すると間髪を入れずにドスッ、と槍が身体を貫く音がした



頬に生温かい血が飛び散る












………………え?



痛みを感じない私の身体


どうして

音も、血の感触もしたのに



何が起こったのかわからなくて、
恐る恐る目を開けた





「――――………、」





でも、目を開けた瞬間に
更に何が起こったのかわからなくなった




「…っ…」




あれ

どうして





どうして



槍は私に向かって投げられた


突き刺さる音、血が飛び散る感触もした

それなのに、
どうして



















どうして、赤司さんが串刺しになってる、の?






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