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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第4章 恨み憎む男ー灰崎ー


「…間違ってなんてねーよ」


「…?」


「赤司が今一番傷付けられるのを恐れているのはお前だからなあ?」


「…?」




…何言ってるの?

言われた意味がわからなくて、ただ彼を見つめる




そんな私にお構いなしに再び立ち上がった灰崎さんは、どこから出したんだか長い槍をヒュンヒュン振った



ギラリと鋭く光る先端に少しだけ肩が震えた




すると、灰崎さんの目の前の茂みが不意にガサガサと音をたてた





「!」


「クククク…、やっとお出ましみたいだなあ」




嬉しそうに笑った灰崎さん

その視線の先にある茂みから、よく見慣れた姿が現れた





「(……赤司、さん……)」




赤司さんはいつもの格好で灰崎さんの前に立った


そして、ちらりと私を見た




「……久しぶりだなあ?吸血鬼の赤司」


「…名前に何をした」


「何もしてねーよ


…………まだ、な」




挑発的な目に、赤司さんは灰崎さんを睨み付けた
その目は冷たく温度がない

思わず私も少しだけ身震いした



この距離からでもわかる程、邪々しい殺気


……赤司さん、未だかつてないくらい怒ってる




「…お前のしつこさにはいつも少なからず目障りだったが…」




2人が同時に身を低くする


灰崎さんは槍を、赤司 さんは懐から取り出した短剣を構えた



…あれが赤司さんの武器か

初めて見た




「名前を巻き込んだからには、それなりの覚悟はできてるんだろうな」


「クク…相変わらず口先だけは強気だな、てめぇは…」


「その笑い方、耳障りだ
…二度とできないようにしてあげるよ」


「へえ…面白れぇ!」




灰崎さんが言った瞬間、2人は同時に地面を蹴った



目にも止まらぬ早さに当然私の目は追い付けない


気が付いた時にはもう、激しい金属音が静かな森に鳴り響いていた




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