第4章 恨み憎む男ー灰崎ー
ただ呆然としていたら、灰崎さんはニヤッと笑った
「心配すんなって、協力っつってもお前はただここに座っとけばいいだけだ」
す、と立ち上がった彼を目で追い掛ける
…このひと、一体どんな所以で赤司さんを倒すだなんて言っているんだろう
このひとも赤司さんの知り合いなのだろうか
「…知りたいか?」
「!」
「ククク、お前の考えてることなんて簡単にわかるっつの」
ククク?……変な笑い方
じゃなくて!
「いいぜ、話してやるよ
俺と関係の関係をな」
そのひとの声がいきなり低くなる
あからさまに憎悪を含んだ声色に知らず背筋が冷えた
「…まぁ、俺と奴の関係と言っても、退治する側と退治される側、ってだけだけどな」
退治?
退治って、まさかこのひと、
「クク…、そうそう
俺は怪物使いってやつだ、驚いたか?」
「…………」
「…本当ならあいつを倒すのは俺だったはずだった
だけどあの、仲間がどうだなんだってうるせぇ怪物野郎共は、俺の一瞬の隙をついて俺を倒し、あろうことか俺より先に赤司の屋敷に乗り込んだんだよ」
倒し、ということは、火神さんや黄瀬さんはこのひととも闘ったんだろうか
それで勝ったんだ
このひとの力量なんて知らないけれど
火神さん達、やっぱりそれなりに強いんだ。
……あの人達、あんなに優しいのに
なんて二人に感心していると、
灰崎さんはちっ、と舌打ちをした