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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第2章 本当の赤司征十郎


「…美味しい!」



思わず口に出すと、テツヤさんは安心したように微笑んだ


続けてポタージュや白パンも口に運ぶがどれも、食べたことがないくらい美味しかった


「口に合って良かったです」


「本当に美味しいです
テツヤさんがお作りになったんですか?」


「ええ、僕が作らせていただきました」


「すごいですね」


「いいえ、そんなことはありませんよ」


謙遜するも嬉しそうなテツヤさん

…本当に、傍から見ればまるっきり人間だ


「あの」


「はい」


「テツヤさんも、吸血鬼…なんですか?」


「ええ、まぁ…端くれですが」


「…朝日、平気なんですか?」


「え?…ああ、」


テツヤさんは私の顔と朝日が差し込む窓を見た後、納得したように言った


「平気ですよ、好きではありませんけど」


「…私、吸血鬼は昼間は寝ているものだと思っていました」


「確かに、そう思われることは多いですね

ですが、実際は外に出ないだけで昼間も起きていますよ」


「そうなんですか?」


「はい、夜寝るのが遅い以外は人間と同じです」


「知りませんでした…」


その後も、テツヤさんに吸血鬼のことを色々教えてもらった


噛まれたひとも吸血鬼になるなんて迷信だ、とか教会にだって普通に入れる、とか


…本当は、赤司さんのことを聞きたかったけれど

桃井さんの言っていたように
接していく内に自分でわかるようになりたい


それに、吸血鬼について予め知っておけば
これから色々と手助けになるかもしれない


「この屋敷は広いですから、色々と見て回るのもいいと思いますよ」


「ええ…あ、そういえば、このお屋敷には他に誰か住んでいらっしゃるんですか?」


「いいえ、赤司君と僕の2人だけです」


「え…こんなに広いのに?」


「はい、赤司君は騒がしいのは嫌いですから」


「…使用人がテツヤさん1人では大変ではありませんか?」


「いいえ、もう慣れてしまいましたから」


そんなことを話している内に朝食も終わり、テツヤさんはワゴンを押して部屋から出て行った

残された私も、テツヤさんの言う通り
屋敷の中を見て回ることにした

くれぐれも屋敷の外には出ないように、と言われたけれど庭までは行ってもいいらしい

そんなわけで、私は部屋のドアを開けて廊下に出た

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