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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第1章 吸血鬼、赤司征十郎






暗い屋敷の中、窓から月の光が薄く差し込んでいた


カツン、カツン

広い屋敷の中に一人分の足音だけが響いている



それに気付いた桃井さんは、
私の足を見て驚いたように聞いてきた




「…あれ、靴どうしたの?」


「あ…履いて来なかったんです」


「え?な、なんで?」


「…少し、色々ありまして…」



私はさっき2人に話したようにんにも説明した


そしたら桃井さんは眉間に皺を寄せて私を見た


…なんだその顔は




「なにそれ、酷すぎる…
よく我慢できたね名前さん、10年も」


「血が繋がらないとはいえ、赤の他人の私を引き取って下さったんですし…

恩義は返さないといけないでしょう?」


「はー…、すごいなあNAME1さんは…
私だったら一週間も保たないよ」


「でも、慣れてくると楽しいんです
お掃除やお料理」


「…うわ、私だったら爆発しちゃいそう」


「まぁ…、ふふ」




そうやって話している間にも、桃井さんが私の緊張を和らげようとしてくれているのがよくわかる


だって、さっきから笑い話ばかりだ


本当に優しいひとなんだな




「でも、もう大丈夫だよ」


「え?」


「これからは、赤司君が護ってくれるから」


「……へ、」




なにを言っているの?


桃井さんは笑顔で言った

私は怪訝な顔をした



「あの…それ、どういうことですか?」


「え?だって赤司君はー…、っと」





そこまで言いかけてから、桃井さんは「あ」、と口を手で覆った


え、そこでおあずけか




「これ、言わない約束なんだよね…」


「…火神さんたちも、教えて下さいませんでした」


「ん?」


「赤司さんが、私の家に手紙を出した理由」


「あー…、うん…
残念だけど、私達の口からは言えないんだ

言ったら吸い殺すってみんな約束しちゃったから」


「…それは、約束というより脅しでは…」


「うふふ、そうかもね」



うふふ、って…


でも、そんな脅しにも笑えるくらいに
桃井さんや火神さん達は赤司さんとは長い付き合いらしい



…聞いてみようかな



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