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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第1章 吸血鬼、赤司征十郎


「…大丈夫?」



心配そうな声に顔を上げると、すごく優しそうな桃色の瞳が心配そうに私の顔を覗き込んでいた




「あ、大丈夫…です」


「…やっぱり緊張するよね、
なんたってあの赤司君だし」


「…あの」


「ん?」


「あなたも、怪物なんですか?」


「へ…、」


「違うッスよ、桃っちはさっき話した仲間の一人ッス」


「えっ…、あなたが?」


「そう!桃井さつきです。
初めまして、えーと…」


「あ、私は名前といいます」


「名前さん、ね
初めまして」


「こちらこそ、初めまして…」





なんだ

このひとも火神さん達の仲間か

赤司征十郎に闘いを挑んだってくらいだから
もっとこう…ゴツいひとを想像していた



こんなに綺麗で優しそうな女の人が…

あ、でも優しいからこそ赤司征十郎の行為に許せなかったというのは頷ける




「じゃ、行こうか名前さん」


「あれ?黒子は?」


「テツ君は今手が放せないみたい、邪魔になりたくなくて出てきたの」


「ふーん。桃っちにしては珍しいッスね」


「さて、じゃあテツ君は今色々とセッティング中だから赤司君のとこまでは私が案内するね

……って、名前さん、聞いてる?」


「……へっ?」





桃井さんの声で我に返った

いけない、全然聞いてなかった




「すみません、ボーっとしてしまって…」


「ううん、いいの。
案内するはずだったひとが今ちょっと立て込んでるから、私が赤司君のところまで案内するね」


「あ、はい、お願いします」


「ううん、こちらこそ
じゃあ2人も、お疲れ様」


「おー。じゃあな名前」


「それじゃ」




桃井さんの一言で、火神さんはひらひらと手を振って
黄瀬さんは一度振り返り返った後屋敷の門から出て行った


…本当に怪物っぽくない怪物だったな




「じゃ、私達も行こうか」


「あ……、はい」



にこ、と笑いかけられて少しだけ安心する





なんだろう、この包容力は

なるほど、これがいい女ってやつなのかもしれない


桃井さんが持っているランプの灯だけを頼りに、私たちは真っ暗な屋敷の中に入っていった
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