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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第1章 吸血鬼、赤司征十郎


「で、その後も闘って闘って闘いまくって」


「闘いまくって?」


「いつの間にかこんな仲になったっつーか」


「…え…、赤司征十郎と、ですか?」


「まあ、アイツ意外といい所もあるっつーか。…まあひねくれてるとも思うけどな」




火神さんがあっけらかんと言った言葉に
私は自分の耳を疑った

いい奴?
赤司征十郎が?


「…でも、赤司征十郎は…
噂だと、村や町を襲っては無差別にひとを吸い殺す、残酷な怪物だ、と…」



恐る恐る言ってみると、今度は黄瀬
さんが悲しそうな顔をして、答えてくれた


「…やっぱり、人間はそう思ってんスね」


「え?」


「赤司っちはそんなんじゃないっスよ?
少なくとも、今は…ッスけど、」


「今、は?」


「昔はオマエの言った通りひでー奴だった
だから俺達は退治しようと闘ったんだよ」


「はぁ…」


「でも、いつからわかんねーけど
アイツはぱったりと人間を襲わなくなった」


「…あ、噂でもそうでした
ここ10年、町や村におりて来なくなった、って…」


「俺らもよくわからないんスよ
もちろん、俺らと知り合って親交を持ったことも理由の一つだと思うんスけど…」


「一つだと思うけど?」


「…俺らもよく知らねーんだよ」


「ま、黒子っちや緑間っちは赤司っちが人里襲わなくなって喜んでたッスけどね」


「…でも、吸血鬼は血を飲まないと死んでしまうのでは…」


「何でも、代用品があるらしいな」


「代用品?」


「ああ、魔法使いの男が作った薬とかなんとか…」


「魔法使い?」


「あー…、魔法使いっつーのは…
…って、全部話してたら朝になっちまうな」



「まったくっス
…それに、もう到着みたいッスよ」



黄瀬さんの言葉に、上を見た


すると、目の前には巨大なお屋敷の鉄製の門があった



「……………」




今まで屋根しか見たことがなかった


でも、その屋根から屋敷自体が大きいことはわかっていたけれど


…まさかここまでとは


私の予想を遥かに上回るほど、
赤司征十郎の屋敷はものすごく大きかった


いや、屋敷というかお城というか……


その迫力に圧されている内にも、火神さんと黄瀬さんは2人でその門を開けた


すると、庭を抜けた先にある屋敷の入り口に誰かが立っているのが見えた

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