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赤い吸血鬼と女の子 [黒子のバスケ]

第1章 吸血鬼、赤司征十郎






「あ、お前の名前は?」


「あ…私は名前です」


「ん、じゃあ名前、ついてこいよ」


「え…」




笑って私を促す火神さん


確かに、悪いひとではなさそうだし
赤司征十郎の知り合いというのも本当くさいけれど


今会ったばかりの怪物にそんなに易々とついて行っていいのだろうか



…いや別に、私は食べるなり殺すなり好きにすればいい、という心持ちだけれど



すると、そんな私に気付いた黄瀬さんが頭をガシガシ掻きながら言った




「…そんなに心配しなくても、襲ったりしないッスよ」


「え…」


「オレらは他の怪物とは違って人間なんて食べないっスから」


「そうなんですか?」


「あー、確かにな
黄瀬は料理したもんしか喰わねーし」


「料理したもの…」


「うるさいっスよ火神っち!黙って歩くっス!」


「はははっ、照れるなって」


「照れてない!」




ニヤニヤする火神さんと
その火神さんに反論する黄瀬さん


気が付くと、2人は私の両側についていた



「ま、心配すんな。お前のことは屋敷までちゃんと護衛してやっから」


「あんたは黙ってついてきてくれればいいッスよ」


「…は、はい、お願いします」




なんだか滑稽な話だ

今から殺されに行くのに護衛だなんて
赤司征十郎は相当物好きらしい


歩き出そうとすると、火神さんが私の足を見て目を丸くした



「ん?…おい、#NAME1。靴は?」



火神さんの声に、黄瀬さんも私の足を見た



「はぁ!?森ん中歩くのに何で履いて来ねーんスか!」


「少し…色々ありまして…」


「色々って何スか!」


「え…」


「あー…、もしかして他の怪物に襲われて逃げる途中に落としたとかか?」


「いいえ、別に大した理由では…」


「いいから教えてくれねーか?
場合によっちゃあ、赤司に報告しなきゃいけねーから」


「?」




はて、私が靴を履いていないとなぜ赤司征十郎に報告しないといけないんだろうか


…やっぱり物好きな怪物なんだろうか



「靴は…その、最初から履いて来なかったんです」


「「は?何で」」




同時に尋ねられて、私はたじたじになりながらもとりあえず簡単に説明した






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