第2章 二人っきり
人間とは泣くだけないたら、スッキリするもんで
私は目は腫れてたが、涙が止まっていた
そんな私に丸山さんそっと手を出してきた
丸山「はい、おしぼり」
「...あっ、す、すいません」
照れながら受けとる私を優しく微笑んでくれた
「反対にご迷惑かけちゃって、本当にすいませんでした、でも一緒にいてもらえて、嬉しかったです」
私は目を冷やしながら、頭を下げ続けた
丸山「ええよ、お互い様やしね」
そう言うとニコニコしてた、その顔を見ると私も笑顔になってきていた
丸山「頑張り屋さんなんやね、そんなに泣くの我慢してて...」
そうボソッと呟いた
私の顔が一瞬で赤くなる
「いえ、頑固なだけです....」
恥ずかしそうに私は彼に言う
丸山「そうなんだ...」
丸山さんは小さく笑うと、カラオケのコースターに何かを書き始めた、書き終えると私に微笑みながら渡してくれた
見ると、《笑顔のおまじないパーーーン》と書かれてた
私は、嬉しくなって笑ってしまった
でも、目の端で何かを見つけた
「えっ?」
私が気が付いた事を知った丸山さんは、ニッコリ笑って
丸山「君のも教えてくれる?」
私は動揺していた完全に
「えっ、でも...」
コースターを握りしめ、丸山さんを見つめた
丸山「そんな泣き虫を、知らん顔して別れられるほど僕は、単純じゃないんだよねぇ...」
丸山さんの優しさが私の胸を埋めていく
「...あ、ありがうごさいます」
私はお礼を言うと、自分のコースターに書いた、自分の電話番号を...
そう、丸山さんはそっと、電話番号を教えてくれてたのだ
丸山「さて、申し訳ないけど、今日は時間切れだから、歌は次回に聞かすね」
そう言うと立ち上がった
私は、この運命的な出逢いでアイドルと知り合いになった
それだけでも、人が羨む事なのに
運命の女神は私を意地悪な方向へと運んでくれるのでした
それは、丸山さんにもだけど
もし、運命というモノがあるなら
運命で出逢った二人
今からの運命の糸を二人で紡いで行く事になるとは
私も丸山さんも知らなかったのでした