第20章 親友
彼女は本当に急いで来てくれた
私の部屋に入って来て、私を抱きしめ続けてくれた
私が落ち着くまで
私もやっと彼女の優しさで落ち着きを取り戻してきた
「まったく、いつも限界まで我慢するんだから...」
彼女はテーブルの皿を片付けてくれながら言った
「....ごめん」
真っ赤に目を腫らしながら、私は謝った
彼女は何も言わずに、皿を洗いだした
私は、彼女に思い切って伝えた
「私、関ジャニ∞の丸山隆平と付き合ってるの...」
その言葉で彼女の洗い物の手が止まった
「えっ、こんな時に冗談は...」
彼女は驚いて私に振り向いたが、私の泣き腫らした目を見て言葉を止めた
「冗談なら、良かったよ...」
私はそう言って俯いた
彼女は濡れた手を拭きながら、私の側に来て横に座った
「...誰にも言わないから、絶対に、ちゃんと話して?」
私は、私を本当に心配する彼女の目を見て、決心した
全てを彼女に話したのだ
私の話を、彼女は頷きながら聞いていた
そして、私は全てを彼女に打ち明けた
彼女と私に重い沈黙が流れる
私の鼻をすする音だけが響く
すると彼女は笑いながら
「ば~か!」
そう言って背中を叩いたのでした
私は驚いて彼女を見た
彼女は構わず続けた
「だから、男と付き合った事のない、この鈍感は...」
ため息をつきながら、私の頭を軽く押した
何が何か分かんない私は、彼女を見つめ続けた
「あのねぇ、それは嫌ってるわけじゃなくて...焼きもちなんだよ....」
呆れながら彼女は笑う
「えっ?」
驚く私に少し微笑みながら、彼女は続けた
「男って独占欲が強いから、だから今は妬いて悔しがってるだけ....」
目をパチクリパチクリさせてる私に彼女は
「素直に連絡を取りなさい、あんたから」
そう笑ったのでした
でも、首を全力で振る私に彼女は
「変な意地を張ってたら、本当に失ってしまうよ」
そう言って睨みつけたのでした
「....でも..」
言葉の詰まる私に
「本当に愛してるなら、意地もプライドも捨てな、あんたが愛してるのはアイドルなんだから..」
その言葉が私の胸に大きく響いたのでした