第19章 ズル休み
私は一睡もせずに部屋の窓が明るくなるのを
見ていた
丸山さんと夕食を食べたそのままの皿が悲しくなる
私はずっと、スマホを握りしめていた
丸山さんの連絡を泣きながら、ひたすら待ってのだ
でも、丸山さんからの連絡は来なかった
いつもなら、おやすみって送ってくるのに
昨日の様子じゃ、送ってくるわけないと思いつつも
そうして今の状況を突き付けられて私はどうしていいか分からなかった
私はエネルギーの切れた、ロボットのように動けなくなっていた
あのドタキャンの彼に、振り向いてもらえなくても
ここまで動けなかった事はなかった
こんなに泣くこともなかった...
私の脳裏には、昨日の丸山さんの背を向けて去っていく姿が消えなかった
私から去って行く彼が...
思い出す度に涙が溢れてこぼれていく
「.....丸山さん...」
通知の来ないスマホを見ながら、名前を呼んだ
丸山さんは、傷ついたんだ
そりゃ、そうだと思う
自分の好きな人の前の惚れてた人が告白して来たのを知ってしまったのだから
私を疑ってるのかも知れない...
私も新人の彼女に傷ついてるし
丸山さんの気持ちは痛いほど分かってた
だから、自分から丸山さんに連絡する勇気はでなかった....
今の私には待つ事しか出来ないけど
それは、何よりも辛い時間だった
私は、丸山さんというエネルギーを失い
動けず、始めて仕事をズル休みしたのでした