第16章 嫉妬
私の目に写る二人は楽しそうに見えた
丸山さんは、私に向ける笑顔を彼女に向けていた
彼女は本当に可愛くって丸山さんの横にお似合いだった....
たぶん、会う気で服も可愛いのを着ていた
私は仕事からの帰りだから、服もラフだし...
負けてる....
私は悔しかった、そこは私の場所だと
私が必死で掴んでる場所なんだと
それを簡単にとった彼女が
いつも向けられてる笑顔も
私の幸せの元の笑顔を彼女が...
全て彼女が奪っていく気持ちになった
その時だった、丸山さんが私に気がついた
動けない私に気がついたのか、立ち上がってくれた
すると彼女は丸山さんの服の裾を握った
私の胸がナイフが刺さるような衝撃を受けた
丸山さんは、彼女に何か言った
私には遠くで聞こえない
すると彼女はそっと離した
丸山さんは彼女に微笑みかけ私の元に向かった
丸山「がんちゃん、会いたかった..」
私に優しく微笑んでくれる
遠くで彼女が丸山さんの背中越しで睨んでる
「丸山さん...」
私は言葉が出ずに俯いた
そんな私に丸山さんは、そっと囁いてくれた
丸山「....彼女は、がんちゃんが来るまで話すって約束で話してただけ...」
そう私に言うと、頬を優しく撫でてくれた
私は、彼女の目線が刺さって辛かった
丸山「うん?どうしたの....」
「ううん」
私は小さく首を振った
丸山「彼女と話すのは嫌?」
丸山さんは本当に人の気持ちを理解してくれる
でも、私はそれをYESとは言えなかった
だって、私も彼女の気持ちが分かるから
私が羨ましいだろし、悔しいだろから....
でも、私は丸山さんを愛してたから
彼女には何があっても負けないと心に誓っていた
丸山「がんちゃん?」
心配そうな丸山さんの顔を見て、私は笑顔を見せた
「話して下さい...私は丸山さんを信じてるし、負けませんから」
その言葉を丸山さんは聞くと、私に微笑みながら言ってくれたのです
丸山「だから、がんちゃんに惚れちゃったんだよなぁ、僕は...」
照れくさそうに笑う丸山さんに
私の胸は熱くなり
彼女の目線すら気にならなくなりました