第12章 友達
私と丸山さんは、ゆっくりと付き合っていました
会えるのは、丸山さんの仕事が終わってからの短い時間
ほとんどがLINEのやりとりでした
それでも、私は満足していた
どんな時も丸山さんは、私に笑顔をくれてたから私は会えなくても幸せでした
そんなある日、私は学生時代の友達と久しぶりに食事をしていた
まぁ、職場の愚痴からお決まりの恋の話しに進展した
私は心の中で不味いと思い、話すのをやめて
食べ物を取りながら聞き役に徹した
しかし、話題は私に向いてしまった
「ねぇ、まだあの男を追いかけてるの?」
一人が私を見ながら言う
みんなはドタキャンの彼をまだ好きだと思ってる
「ううん、今はいい友達だよ」
私は軽く返した、これは嘘じゃないし
「えっ、諦めたんだぁ」
あっ、こいつは学生時代から人の嫌な所をつつくヤツだった
私は、少しイラッとした
「まぁ、仕事が今は面白いし....」
上手く言葉を濁した
「ふ~ん、今は恋を封印?」
何で、そんなに私の事に絡むんだろ、早く内容を変えたいと私の頭は必死で考えていた
「...ま、まぁ」
思いつかない私の必死の言葉だった
「あんなに頑固に追い掛けてたのにぃ?」
私は、こいつのこんな所が学生時代から嫌いだった
私のイライラが最高潮になりかけた時に
私の親友の彼女が口を開いた
「いいじゃないの? 恋に必死になるのも、仕事を頑張るのもさぁ... 他人がどうこう言える事じゃないしね」
そう私に笑いかけてくれた
私は、無言で頷いた
その時に私のスマホに丸山さんからのメッセージが届いた
みんなから隠れて見ると
<<がんちゃん、今日は会える?>>
私の意識は、友達より丸山さんのLINEになった
隠れて、急いで打つ
<<すいません、今 友達と食事してて...>>
顔を上げるとみんなが私を注目してた
「えっ、男に連絡?」
私の顔が赤くなるのが分かる、不味い非常に
「し、仕事の連絡だよぉ」
必死で笑いながら誤魔化した
丸山さんとの事は絶対にバレたらダメだ
丸山さんに迷惑がかかるから
<<どうしても今日に会いたいから、待ってるから終わったら連絡をくれる?>>
私の胸の動悸が激しくなる
こんな風に言われた事がなかったから