第10章 会えない
私は仕事が終わり、帰る準備をしていると
新人が側に寄ってきた
「先輩、もし良かったら今から二人で、ゆっくり関ジャニ∞の話をしませんか?」
笑顔で話し掛けられる
「えっ?」
突然の強引な誘いに、私はどう断ろうか困っていた
「こんな近くに、同じファンがいて嬉しいんです」
本当に可愛い子だ...
私は、丸山さんのファンのこの子に、どうしていいのか分からなかった
すると、帰り支度を終えたアイツが私たちの間に入って来た
「悪い、今日は俺と飯の約束やったやんな?」
彼は合わすようにと、表情で私に訴えてきた
その表情で私は、彼の助けに私は乗った
「ぅん、そうなんだごめんね...」
私は言うとカバンを手に取り、彼と店を出た
外に出ると私は彼にお礼をいった
「ありがとう、助かった....」
すると彼はニッコリと笑って
「ほら、行ってこい」
と言うと私の肩を押して、送り出してくれたのです
私は、また自然にあの公園に来ていた
あのベンチに座り丸山さんを待っていた
来るはずのない丸山さんを
でも、私は会いたかった
誰よりも丸山さんに会いたかった
スマホをカバンからだし
文字を打った
<<シャケマンさん、会いたいです>>
私は送信を押すか迷っていた
押したら迷惑なるかも
いや女々しいヤツだと思うかも知れない
私は、消去した
空を見つめ、丸山さんを思った
キレイな夕焼けだった
丸山さんと見たいと思った
また、文字を打った
<<会いたいです>>
文字を送信出来なかった...
送信する勇気が私にはなかった
胸が痛かった
これだけの事が出来ない自分の弱さが
悔しかった....
すると
丸山「その言葉、早く送ってくれたら無理してでも会いに来たのに...」
丸山さんの声が聞こえ、スマホから顔を上げると丸山さんが微笑みながら立っていたのでした