第10章 会えない
私は、焦りながらコースターを丁寧にポケットに入れた
「先輩、可愛いですね、マルちゃんの言葉を書いて持ってるなんて」
そう言いながら彼女は笑った
「まぁ、私の憧れの人だから」
私は、目線を落としながら言った
その時私は彼女にバレたら大変な事になると直感したのです
そこにアイツは私の焦りを理解して
「そろそろ予約の人来るから、趣味の話は後でな」
そう言い、私の肩を軽く押して彼女から離してくれたのでした、そして耳元で
「絶対にバレたらアカンで気を付けろ」
そう忠告してくれたのでした
私は、予約のお客様の髪をしながら
丸山さんの事を考えてた
今、丸山さんは何をしてるんだろ?
少しでも私と会えなくって寂しいとか感じてくれてるのかなぁ?
会ったら、私に笑顔の元気をくれますか?
私の心は会いたくって限界になってた
でも、そう簡単に会える人じゃない
それも理解してた
そして、あんな可愛いファンのいる人....
でも、私は負けたくなかった
早く丸山さんに会って
私の気持ちを伝えて
丸山さんの微笑みが欲しい....
私の心は貪欲になっていたのでした