第9章 真実
私は頭が働かないまま、店を出て家路を歩いていた
丸山さんは、私を思ってくれてる?
カバンからスマホを取り出し、二人でのLINEのやり取りを見た
毎日、毎日、送ってくれてるのを指でスライドさせる
スマホの画面に楽しい二人の会話が映る
何で、丸山さんは私には言ってくれなかったの?
私が、アイツをちゃんと忘れるのを待っててくれてるから?
あの言葉のように...
あの言葉は本音だったの?
私のスマホの画面を動かし続けた
丸山さんの優しい毎日の言葉
何度読み返しても胸が温まる
繰り返し、繰り返しスライドしてた
その時
「!!!!」
私はやっと気が付いたんです
「は、ははっ、丸山さん...」
私のスマホの画面に涙が落ちた
毎日、送ってくれてたLINEの最初の文字だけを繋げると
<<スキダヨ>>
<<ズット ソバニ イルカラネ>>
<<キミニ シアワセガ トドキマスヨウニ>>
丸山さんは、ずっと気持ちを届けてくれてたのでした
私が怖じけづいているから
ずっと何も言わないで待っててくれた
最初から、私のペースに合わせてくれてた
その時にアイツの言葉が私の頭に入ってきた
どんなに辛くても、この人を離したらダメだって
その瞬間から私の心は丸山さんの相応しい人になりたいって私はやっと思えたのでした
私は、丸山さんに秘密でスマホを握りしめ泣いたのでした。