第8章 大きさ
丸山さんは、何も言わずに立ち上がり歩きだした
私は、慌てて追い掛けた
「ま、丸山さん....」
私は少し不安になりながら、丸山さんを追い掛けた
丸山「ぅん、どうしたの?」
歩きながら私を見ているけど、いつものように笑ってない
彼に何を言ったんだろ?
「な、何て言ったんですか?
教えてもらえないんですか?」
私の言葉に、丸山さんは少し俯いて考え込んだ
私は、この優しい丸山さんに何がなにをしたのか心配で仕方なかった
ゆっくりと顔を上げると丸山さんは、私をしっかり見て教えてくれた
丸山「これ以上、傷付ける事をしたら覚悟しとけって....」
私の中に動揺が走る
「えっ!!!!」
私の顔を見ながら、寂しそうな顔になりながら丸山さんは頭を下げた
丸山「ごめんね、彼氏でもないのに、そんな事を言って....」
私は言葉も出ずに、丸山さんを見つめてた
丸山「やって、許せなかったんやもん、あんなにがんちゃんを泣かせてさぁ....」
丸山さんは、私の事をこんな風に思っててくれたと私は知った...
自分の手が震えてくるのを私は感じていた
丸山さんは、遠くを見つめながら呟いてた
丸山「僕だって、男だし、守りたいモノは守るよ...」
その言葉に私の感情は溢れだした
何も言えずに、丸山さんの胸に飛び込んだ
丸山「おっ、ど、どうしたの?」
私は無言で首を振る
そんな私を丸山さんは優しく微笑んで見つめてくれる
丸山「ねぇ、がんちゃん...」
私は何も言わずに丸山さんの胸で顔を上げた
丸山「僕さぁ、芸能人とか恋人とか関係なく、がんちゃんを守りたいって思ってる...
もう、あんな風に泣かせたくないんだ....」
丸山さんは、その思いだけでずっと、私に優しくしてくれたか?
何て器の大きい人なんだろ....
この人に愛されたら絶対に幸せになれると思った...
でも、私が丸山さんの恋人に相応しいとは思えない...
私はこの幸せな気持ちを封印する事にしたのです
だって、こんなに優しい丸山さんには
ちゃんと相応しい人と幸せになって欲しいから
これが、私の丸山さんへの思いだから....