第7章 会いたい
私は仕事を終え、やっとロッカーに戻ってスマホを見た
「....きてない」
私は思わず、呟いてしまっていた
朝から丸山さんからの、言葉がLINEすら来てなかったからだ
私の送ったのにも既読すらなかった
<<おはようごさまいます、今日も笑顔で頑張りますので、シャケマンさんも頑張ってください>>
送った文字を指でなぞってみた
たぶん、忙がしいからだと思いつつも、昨日のあの言葉は嘘だったのかと不安が生まれてくる自分もいた
大きなため息がでる.....
私はその気持ちを振り切るかのように、ロッカーからカバンを取りだし、まだ準備支度をしている仲間に声をかけて店を足早に出た
道を歩きながら私は必死で
忙がしくってLINEが出来ないんだ
そう思い込もうとした
そんな私の身体を冷たい風が吹き付ける度に、丸山さんと出会った日の事を思い出す
今、こうして丸山さんと繋がってられるのも奇跡なのに、それ以上を望んでる私は贅沢なのかも知れない
でも、会いたい
丸山さんに会ってあの笑顔で包まれたい
そんな事を思っている自分がいた
私の足は自然に出会った公園に来ていた
私は静かにベンチに座った
あの時は、アイツが好きだった....
必死で好きでいた
でも、丸山さんに会って
丸山さんの優しさを知って
本当の男の人を知った....
だから、アイツを忘れる事が出来たんだ
丸山さんを愛してしまったが
丸山さんが私を好きになるわけない....
芸能人なら、いつも素敵な人と出会ってるんだから
こんな一般の女に....
まぁ、丸山さんは、優しいからあんな風に言ってくれたんだ
本当に優しいなぁ.....
私の中で勝手に結論付けた
「会いたいよ....丸山さん...」
その時に一筋の涙が出た
丸山「また、泣いてる....辛い事あった?」
声を掛けられて目をぱちくりしている私の目の前に
丸山さんが立っていました。