第5章 色んな見方?
丸山さんと二人、お酒も入っているので
機嫌良く帰り道を歩いていた
「丸山さん、けっこう食べましたよねぇ」
私は、楽しそうに前を歩いてる丸山に声をかけた
丸山「がんちゃんが遠慮してるからだし...無理やり食べたんだからねぇ」
少し意地悪そうな顔で丸山さんが見てくる
「えっ、私のせいですか?」
私は、笑いながら言葉を返した
本当に、こんな会話ですら楽しくなる
丸山さんの力はすごいと感じてしまう
丸山「ねぇ、がんちゃん....」
急に丸山さんが真剣な顔になった
私は驚いた顔で丸山さんを見つめた
「ど、どうしたんですか?」
丸山「次は素敵な恋愛をしてね....」
優しく言われ、私の心臓はまた驚く速さで動きだした
でも、もう素敵な恋愛は無理だと感じてた
無謀な恋はしないと決めてたから
私は自分の胸の内を素直に話してみた
「....したいですけど、やっぱり怖いですね...、人って私もですが勝手ですし、そう簡単に素敵にならないの嫌ってほど知ってますから...」
私は、苦笑いしながら丸山さんに伝えた
その言葉を聞いて、丸山さんは上に目線を送った
静かな沈黙が流れる
丸山さんは、ずっと上を見てる...
私の心の中では、困らせてしまったかなぁって
反省し始めていた
丸山さんの背中に無言でごめんなさいをしてた時に
丸山さんは口を開いた
丸山「おんなじ景色も見る方向では、違ってくるんだよ....」
「えっ?」
意味が分わからずに丸山さんを見つめる私に、
丸山さんは、優しく微笑んで続けてくれた
丸山「ほらぁ、観覧車に乗って上から見る景色と、ここで立って見てる景色じゃ全然違うでしょう?恋愛も、ううん、何にしてもそうじゃないかなぁ?」
私は丸山さんの語りを静かに聞いた
ううん、聞いていたかった
丸山「辛いって思ってる事は、別の面で見たら幸せなのかもよ、だから怖い恋愛も見方一つで幸せになるかもね」
私は、声もでなかった
こんなに素敵な考え方をする人がいるなんて
そんな人に出会えたなんて
神様に感謝しまくってたのでした