第3章 女
俺の言葉に、女は俺を睨んだ
「やだ!」
俺は唖然とした
村上「はぁ?なんでや」
「人に命令されるの嫌いだから」
そう言うと、部屋を出て廊下を歩いて行ってしまった
なんや、あの女は..
俺は理解不能になっていた
しかし、もしあの女が夜までいたら、
エサになってしまう、俺らみんなの...
俺は追い掛けたが、女はもう何処にもいなかった
吸血鬼の俺の感覚にも捉えられなかった
そんな所に、
丸山がいつまでも帰って来ない俺を探しに来た
丸山「村上くん、みんなの所に戻ろう?」
村上「おん....」
丸山は、歯切れの悪い俺に気が付いて
丸山「どうしたの?」
俺は、今の女の話をするか迷った
あの謎の女を....
村上「...女がおったんや」
俺の言葉にマルが驚く
丸山「えっ?」
村上「ここで、昔 命を助けてもらったって言ってた...、やから屋敷が心配で来たって...」
丸山「.........」
考え込むマルに俺は黙って見つめてた
丸山「やっぱり、奇跡ってあるんだよね...」
そう呟くと優しく笑った
俺は丸山の言葉に理解出来ずにいた。
村上「はぁ、どういう事やねん?」
丸山「今は告げる時じゃないから、教えられない...」
俺は、こいつと横の秘密主義には
少しうんざりしていた。
まぁ、でも無理矢理 聞く気もないから
そのまま二人でみんなの所に戻って行った。
俺と女....
ある一つの願いが形になったモノだったと
その時の俺は知るはずもなかった
大きな奇跡の中に俺がいた事も...