第3章 女
その次の日から、猫がいなくなった。
マルは必死で探していた。
そんなマルを見て、横は冷たく言った
横山「猫は死期を悟ると、自ら消えると言う...」
その言葉にマルは辛そうな顔をした
村上「マル、そのうちにひょっこり帰って来るかもやから、落ち込むな」
俺は優しく背中を撫でながら、励ました
マルもショックだろうが、それは俺もだった
アイツは、俺の心の一番の理解者だと思っていたからだ
錦戸「なぁ、横山くん、今夜からするんやろ?屋敷建て直し作戦は...」
嬉しそうに、亮はニヤニヤしながら言う
渋谷「はぁ、めんどくさいけど、やりますか」
すばるは、みんなを見ながら言った
俺はため息をつきながら、部屋を出て
潰れかけの屋敷の廊下を歩いた。
まだ、俺自身 納得出来ていなかったからだ。
俺が屋敷を建て直すと言ったが、
こんな風になるとは思ってなかった...
俺の中でイライラが募る
そんな俺の視界のはしで、何かが動いた。
潰れた部屋の隅に何か居る気配を感じた
俺は、その部屋に入ってみた。
そいつは気配をけしているのか、
何処にいるのか見えない...
吸血鬼の俺の眼にさえ見えないとは...
敵なのか俺に緊張が走る...
「わぁっ!!!!!」
俺の背中を軽く叩き、大声を出された。
本気で驚き、俺は吸血鬼の本能を剥き出して
逃げるように崩れかけてる屋敷の天井に
飛び上がってしまった
「ふふっ、、ここに人がいるなんて...」
それは、くりくりと大きな目をした女だった
村の女か?俺は天井から女を見下ろしていた。
村上「ここで、なにしてんねん?」
俺は空気のように、ふわりと女の前に降りた
「それは、こっちの台詞」
俺は、この女が理解出来なかった
村上「はぁ?何がやねん」
「ここは、危ないのに何でいるの?」
女は偉そうに言った
「いやいや、お前もやん」
俺は笑ってしまった
すると、女は少し切なそうな顔になり、語った。
「私、昔...この屋敷の人に命を助けてもらったの...
だから、心配で来てみたの...」
俺は、女の話を聞いていたが、ある事に気が付いた
もうすぐ夕暮れだ..
「今日はとりあえず、帰れ..」
そう、俺たちの本能が目を覚ます前に...